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俺がそう思うだけ

妄想を垂れ流します

機動戦士Vガンダム 最終回のシュラク隊の並び

 最終話、ウッソの意志に連動して登場するシュラク隊の並びは、それぞれ描かれた各エピソードの、家→親→連れ合い→新しい命の順番になっている。

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 ペギー(家)から始まり、

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 マヘリア(親)ケイト(連れ合い)が出て来て、

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  コニー&ユカ(新しい命)へと続く。彼女達は、物語の中でただ無意味に死んでいく訳ではない。各エピソードは繋がっており、一つの結論へ向かい進んでいく。

 

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 13話。マヘリアは孤児であり、ウッソとの束の間のやり取りの中、自分が両親と共に弟を亡くした身の上である事を語る。手掛かりはなくとも、捜せる家族が居るだけウッソはいいのだと羨む場面があった。

 

 しかし、彼女は直後の戦いで、仲間の仇討ちに拘った事で戦死してしまう。孤児の彼女は、身内への拘りの余り自身の死期を早めてしまう結果になった。

 

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 マヘリアは残ったメンバーに弔われる。その最中、ウッソとシャクティの関係性を見たケイトは涙する。一人のまま一人で死んでゆくマヘリアを想ってか、或いは、間も無くそうなるかもしれない自分達の姿を重ねたのか。

「妬けちゃうね。ウッソとあんたは、ずっと一緒だったもんね。きっと死ぬ時も一緒だよね……」 

 

 彼女もまた、その直後の戦いで戦死してしまう。宇宙移民者の財産運びを担うマスドライバーのレールを守る為に。宇宙に強制移民させられる暗い世の中であっても、人の歴史を繋ぐ希望の施設に対して、強い思い入れがあったのだろうと伺わせるエピソードだった(彼女はサイド2のアメリアコロニー=現ザンスカール帝国出身者だ)。

 

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 話は少し飛ぶ。25話、宇宙で離れ離れになったシャクティ捜しに躍起になるウッソを前に、帰る場所を守れなければ意味がないと説くのがペギーだった。

「家があって人が居て、始めて暮らしというものがあるんだ」

 

 しかし彼女は、戦場では肉親が肉親を殺すのだとも言い放つ。家があるからこそ人々は安寧に暮らせる。しかし、その機能を戦争が破壊する。時には、家族同士でさえも殺し合いをさせられる。彼女は、ウッソに「生き残れ」と最期の言葉を遺して死ぬ。

「ウッソ、ここは戦場だよ。自分の肉親を殺す奴も居る」

 

 マヘリアのエピソードが「身内への思慕・執着」であれば、ケイトのエピソードは「人の営み・時の繋がり」であろう。共に生きていける関係性があり、その連れ合いが時代の流れを生み歴史を形作っていく。そして、ペギーは命を張って「その営みを生かすもの、殺すもの」をウッソに説いてみせたのだ。

 

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 終盤、マーベットが妊娠する。彼らは戦いの中で「新しい命」を授かる。但し、ここでの相手はウッソでなく、途中でシュラク隊に配属されたユカになる(ウッソの相手はマーベットがやる)。彼女は地球連邦軍の正規兵で、入隊から楽しい事など一つもなかったとその心情を吐露する。

ユカ「決戦前だってんだよ?」

コニー「楽しい事を思い出さなくちゃ、何の為に戦っているのか忘れちゃうわよ」

ユカ「軍に入ってからは、そんなものなかったよ」

コニー「いくらでも作れるわ。でも、ああして一生懸命にならないと作れないものなのかもね」

ユカ「新しい命は、私達が守ってやらないとね」

コニー「違う違う、二人の子供が二人にどう似るか確かめるんだよ」

 

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 孤児は家族を求め(マヘリア)人の営みの歴史を守り(ケイト)暮らしを説いて(ペギー)新たな生命の誕生を祝福する(コニー)。そのチームとしての想いは同じであろうから、ここでは、敢えて連邦軍からの余所者を編入させて語らせたという事だろうか。

 

 28話では、マーベットの結婚式で、競って花嫁のブーケを取ろうとする一幕も描かれた。彼女達も戦争が終われば、誰か大切な人と歩む人生を願っていたに違いない。

 

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 しかし最終的に、ユカとコニー両名も戦いの中で命を落とす事になる。狂乱の戦士となったカテジナを前に。コニーは死の間際、声を聞く。それは敵味方もない、情念に取り憑かれた女の声であった。

 

 「この戦いはね、二人の男が私を賭けて戦っているんだ。だから邪魔はさせないんだよ! ベスパだろうと、リガ・ミリティアだろうと、私を取り合う男達の邪魔は出来ないんだよ!」

 

 よって、私怨に取り憑かれ、新たな命を脅かす危険の高いカテジナさんは「倒すべき敵」になってしまう。仕方ないね(´・ω・`)