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俺がそう思うだけ

妄想を垂れ流します

機動戦士Vガンダム ジュンコ・ジェンコの苦悩

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 前回、シュラク隊のエピソードの繋がり方に付いて書いた。彼女達にそんな役割を与えられたのは、彼女達自身が家族への強い想いを抱いて生きているキャラクターだからと筆者は考える。また、その思いをチームとして共有もしているなら、人生に挫けつつも、新たな子に希望を見出す役割は、外部のユカ・マイラスに割り振られたのだとも見ている。

 

 では、シュラク隊のリーダーであるジュンコ・ジェンコはどうだったのか? ここでは、彼女がチームとしての思いを、他のシュラク隊と共有していたという前提で書き連ねていく。

 

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 当初、ウッソが少年兵であると分かっても、彼女は特に動揺する素振りは見せなかった。しかし、立て続けに隊員が死に、彼女はその度に、やり切れないといった顔を見せる。更に、ケイト戦死の際には、共闘したウッソも強い自責の念に駆られてしまう事になる。

「ふざけた事を言うんじゃない! ケイトはあんたよりもプロだったんだ。坊やがやれる相手なら、ケイトがやっていたんだよ。そういう自惚れた台詞を言うのは十年早いんだ!」

 

 宇宙に上がってから、死に急ぐような戦い方が目立つようになり、オリファーからも注意を受けている。この原因は作中でははっきりしていない。もしかすると彼女は、仲間の死と、その責任を少年であるウッソに背負わせてしまった事から、自身が負担を被るように無茶を繰り返していたのかもしれない。

 

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 またこの頃、彼女はウッソの教育係になった。しかし、ここにも問題があった。彼は生身の人間が撃てないのである。ウッソは一線級のパイロット適正を持ってはいたが、少し前まで田舎で畑をやっていた少年である。彼の発言は、戦争慣れしたジュンコの感じ方とはしばしばズレを生じさせていた。

 「いい子過ぎるよ、あの子は。それに引き換え、私達大人は、あんな子の力まで当てにしちまってさ……!」

 

 守るだけなら負担を被ればいい。しかし、ウッソ自身が生き延びる為には彼自身を鍛えねばならない(それを教える事になったのは、ジュンコではなく、敵であるゴッドワルドだった)。しかしそれは同時に、人として当たり前の優しさを失う事にも繋がるかもしれないのだ。この苦悩は、彼自身が物語終盤に、実親に対する不満となって表面化した。

 「でもね、僕は嫌なんです。人殺しをするところで成長するのは。鈍感とか、戦争マニアに育ててくれた方がずっと楽でした」

 

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  リガ・ミリティアは民間ゲリラであり、無けなしの戦力で戦っているので、表立って感情を前に出す事はないのだろうと思う。下手に我を出せば部隊の士気にも関わりかねない。だが、彼女は怪我をした事もあったのか、冷静さを失い、爆弾解除に失敗して、無惨にもウッソの目の前で爆散してしまう。

 

 彼女の死に急ぐような行動は、家族への特別な想いがあったればこその矛盾から来る行動だったのではないかと思います。本来守るべき子供を戦わせる苦悩……。

 

 しかしウッソも成長を続けていて、彼女の思惑など軽く飛び越えていたかもしれないんですよね。彼女が支えきれなかったペギーも見事にカバーしていたが、その時の彼女の複雑な表情、そして最期の言葉は切ない(´・ω・`)これぐらいやらせてよ……。